陶器製のドリッパー
ドリッパーには陶器製とプラスティック製のものがあります。陶器製のドリッパーの方が重量感があり何となくいいもの、そんな感じがしませんか?
何が違うのかというと、まず両者の比熱について考えます。
まずコーヒーは熱湯で淹れるのではなく、90度を少し切るくらいの湯で淹れるのが美味しく淹れるコツです。
実はドリップでコーヒーを出すプロにとってコーヒーを淹れることは温度との闘いなのです。
90度以下の湯を室温のドリッパー、ガラスのサーバー、コーヒーカップへと移動させるとその温度は60度を切ってしまいます。多くの人が熱くて美味しいコーヒーと感じる温度は65度なんだそうです。
この温度でコーヒーを提供するためにドリッパー、サーバー、カップ、全てをしっかり温めて提供する必要があるということなんですね。
陶器製のドリッパーは温まりやすい、逆にいえば冷めやすい、熱を奪いやすいということがあげられます。
陶器製ドリッパーを使う時、お湯をかけて温める程度では十分ではないんですね。
その程度の温め方では、ドリップ中に注いでいるお湯の温度よりドリッパーの温度が下になり、湯の熱を奪い始めてしまいます。
なので、しっかりと温めれば、陶器製のドリッパーは保温力が高いため、ドリップ中にお湯が冷めにくく、よりアツアツのコーヒーをいれられるということでもあります。
また、樹脂製よりも汚れが付きにくいのも陶器のドリッパーの魅力だと思います。
そして、陶器のドリッパーを使うのであれば熱湯に30秒以上は漬けてから使った方がいいでしょう。
次にドリッパーの構造について、リブ、ドリッパー内部の凸凹は、プラスティック製の方が断然高さがあり、しっかりペーパーとの間に隙間を作ってくれるものが多いのではないでしょうか。
プラスティックの方が成形しやすいことを考えれば当然かもしれませんね。
陶器製はリブが低く、申し訳程度に溝があるものが少なくありません。
家庭での使いやすさだけでいえば、プラスティック製の方かもしれません。
ただし、プラスティック製ドリッパーは使用後、あまりスポンジでごしごしやると傷だらけになり、黒ずみや匂いの原因となるので、時々買い替えが必要でしょう。