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コーヒーカップのマナー
取っ手について
コーヒーに限定してマナーを考えてみるために、まずは少しカップの歴史を遡ってみましょう。
18世紀初頭のヨーロッパ、コーヒーカップは中国の景徳鎮や日本の伊万里の湯のみを輸入して使われていました。
つまり、この頃のコーヒーカップは“取っ手なし”ということになります。
その後、カップに描かれた図柄が、飲む人側に向くようにと取っ手が付けられたのだそうです。
この場合は図柄のある方を正面とすればいいわけです。
しかし、総柄や無地のカップの場合、コーヒーを出す側のマナーとしては、取っ手を右に向けるか左に向けるか物議を醸すところではないでしょうか?
実はこれ、どちらが正しいということはそれほどないようです。
出されてすぐに飲めるように取っ手を右に向けて出すのが、合理性を重んじ、かつブラックでの飲用が多い「アメリカ式」。
反対に、砂糖やミルクをスプーンでかき混ぜる際、音が立たないよう取っ手をつまんでカップを安定させるために左に向けて出すのが、行儀作法を重んじる「イギリス式」、そんな風にいわれています。
イギリス式では、右手で取っ手をつまんでソーサーの上のカップをぐるっと反転させて飲むわけですが、日本のホテルは、イギリス式のところが多いようですね。
しかしここまで話して気付いた方もいるかもしれませんが、これは、飲む人を右利きとした場合のマナーです。
つまり、世界のマナーは右利きを前提に作られているわけなんですね。
しかし、例えば左利きの人に対しては一般の向きとは逆に出しても、それはそれでサービスとしてはアリなのではないでしょうか。